同僚の歯科衛生士のピンチ!どう対応する?
- 眩暈がする
- 眠れない
- 朝、体が重くて起き上がれない
- 理由ははっきりしないけれど、涙が出てしまう
こんな状態のスタッフを前にして、「何て声をかけたらいいんだろう?」「今は見守る方がいいのかな?」と悩んだ経験はありませんか?
正解は一つではありません、その人に合う関わり方を少しずつ探していけます。
このコラムを読み進める中で、「この関わり方ならできそう!」、そんな風に“知る・気づく”きっかけになれば嬉しいです。
どうぞ、肩の力を抜いて読んでみてくださいね。
岡村乃里恵歯科衛生士の育成に携わって20年
たくさんの笑顔に出会い、時には悩みながら、日々“教える”という時間と向き合ってきました、
このブログでは、私・岡村が、現場で実践していること、「うまく伝わらない」ときのヒントをまとめています!


① 「どう受け止めたらいいのか分からなくなる」とき
正直なところ、忙しい現場の中で歯科衛生士の体調不良が続くと、「どう関わったらいいんだろう?」「今は声をかけた方がいい?それとも待つべき?」、こんなふうに戸惑ってしまいませんか?
これは冷たさではなく、“正解が分からない状況”に置かれたときの、ごく自然な反応です。
心理学や心身医学の分野では、こころと体は切り離せず、互いに影響し合っていると考えられています。
強い不安や緊張、「ちゃんとしなきゃ」「迷惑をかけてはいけない」という思いが続くと、自律神経のバランスが崩れやすくなり、その結果、
- 眠れない、眠りが浅い
- めまい、動悸
- 胃腸の不調
- 朝、体が思うように動かない
といった症状が、体のサインとして現れることがあります。
これは、本人の努力や気持ちだけではどうにもならず、強い負荷が続いた結果、体が先にブレーキをかけている状態とも言えます。
「頑張りたい気持ちはあるのに、体がついてこない」そんな感覚に本人自身が一番戸惑い、苦しんでいることも少なくありません。
② 実はとても多い「メンタルからくる体調不良」
これまでに岡村が関わってきた中でも、めまいや不眠などの体調不良を訴える歯科衛生士さんは決して珍しいことではありません。
そのような方たちの共通した特徴は、「まじめで責任感が強く、周りに気を遣いすぎる人」だということ
頑張り続けた結果、こころが出している「もう限界だよ」というサインを体が代わりに表現している、ということもあるのではないでしょうか?
③ 「最近の子は弱くなっている?」という声について
院長先生から、「最近の子は、弱くなっている気がする」そんな声を聞くこともあります。
そう感じるのも、無理はないと思います。
働き方や環境が変わり、私たちが若い頃とは、求められるスピードや情報量も大きく違っています。
ただ一方で、心理学や医学の分野で分かっていることは、
人の耐性や感受性には、もともと個人差があるということ
同じ出来事でも、すぐに切り替えられる人もいれば、時間をかけて整理する人もいて、それは「弱さ」ではなく、感じ取り方や反応の違いとも言えるのです。
だからこそ、「弱くなった」と一括りにするよりも、「この人は、どんな環境なら力を出しやすいか?」そんな視点で見られると、関わり方が少し変わってきます。


④ 先生や先輩が一番悩むのは「どう声をかけるか」
- 声をかけたい気持ちはあるけれど、重くならないだろうか
- そっとしておく方がいいのかもしれない
- でも、何も言わないままでいいとも思えない
そんな迷いを感じたことがある方は、きっと少なくありません。
ここで大切なのは、「治そうとしないこと、答えを出そうとしないこと」、先輩にできるのは、
すべてを理解することではなく、「気にかけているよ」と伝えること
⑤ 声かけは「評価」ではなく「状態確認」
こころが疲れているとき、脳は「考える・判断する・感情を整える」余力を失いやすくなります。
そのような状態で、
✕「大丈夫そうだね!」「前はできてたよね」
このような「励まし」や「正論」、「評価」などは、プレッシャーとして届いてしまうこともあります。だからこそ、
〇「最近、体調どう?」「今日はどこまでならできそうかな?」
声かけはこのようにシンプルに、評価ではなく、今の状態を見る言葉は相手のこころの負担をそっと軽くします。
⑥ 「休ませる/休ませない」の判断軸
その他にも悩むのが、「休ませるか/休ませないか」の判断かもしれません。
岡村は医師や専門家ではありません。
それでも、現場で人と向き合う中で、一つの目安として大切にしている視点があります。
「今の状態を気持ちだけで判断しない」ということ
感情ややる気ではなく、“日常の機能が保てているか”を見ています。
以下のような状態に複数当てはまる、そして一定期間続いている場合は、無理をさせない判断が必要なサインだと感じています。
- 睡眠リズムが崩れた状態が続き、本人もつらさを感じている
- めまい、動悸などの身体症状が出ている
- 集中力や判断力が明らかに落ちている
- 表情が乏しく、反応がゆっくりになっている
- 「申し訳ない」「迷惑をかけている」という言葉が増えている
これらは一つひとつを見るのではなく、「重なって続いているかどうかを見る」のが大切です。
決して気持ちの問題ではなく、「こころや神経が少し休みを必要としているサイン」、と岡村は受け取っています。
少し立ち止まる時間が、その人がまた前に進むための準備になることもあります。


⑦ ケーススタディ:戻れる場所があるかどうか
「ここなら大丈夫かもしれない」「責められない場所がある」
こんな風に感じられる“安全な場所”があると、時間をかけて戻ってこられる方もいます、岡村の知る限り、こころや体の不調をきっかけに、そのまま職場に来られなくなってしまう場合もあります。
無理に引き戻すのではなく「戻ってもいい場所として残しておく」、それが先輩や医院にできる支え方なのかもしれません。
⑧ 岡村の視点:誰もが必死だった
岡村自身、「どうしてここまで苦しくなってしまったのだろう」「もっと早く気づいてあげていれば…」と、振り返る場面に何度も立ち会ってきました。
でも振り返ると、教える側も、教わる側も、院長先生も、誰一人として“適当にやっている人”はいなかった。
みんな、それぞれの立場で必死だったんです、だからこそ「誰が悪いか」を探すよりも、
「どうしたら少し楽になれるか」を一緒に考えたい
岡村は、そう思っています。
まとめ:支えることは、抱え込むことではない
- こころの不調は、誰にでも起こりうる
- 治そうとしなくていい
- 評価より「状態」に目を向ける
- 無理をさせない判断は、弱さではない
- 支える側も、支えられていい
体調不良や、メンタル不調のスタッフと向き合う時間は 簡単ではありません。
院長先生にとっても、「診療を守ること」と「人を守ること」の間で迷う場面は多いと思います。
その迷い自体が「現場を大切にしている証」、岡村はそう感じています。
安心できる関係性が、次の一歩の土台になる
このブログが、誰かの心を少し軽くするきっかけになれば嬉しいです。



